トランプ米政権の関税政策は金融危機を引き起こす可能性も? 木内登英氏が警告する日本の経済への影響

米国のトランプ政権による「相互関税」政策は、世界経済に深刻な影響を与え続けています。株式市場では株価が乱高下し、不確実性が高まる中、経済評論家の木内登英氏は、最悪のシナリオとしてリーマン級の金融危機も示唆しています。
4月9日に全面発動された相互関税は、その後90日間の一時停止となりましたが、日米間の交渉はこれから本格的にスタートします。しかし、トランプ政権は日本に対して、安易に関税率の大幅な引き下げに応じることはないと考えられます。これは、日本経済にとって大きな打撃となる可能性があります。
日本の経済への具体的な影響
トランプ政権の関税政策が日本経済に与える影響は多岐にわたります。まず、自動車産業は大きな影響を受けるでしょう。アメリカ市場は日本の自動車産業にとって非常に重要な市場であり、関税の引き上げは輸出の減少につながり、国内の生産調整を余儀なくされる可能性があります。
また、農産物や食品産業も影響を受けます。アメリカからの輸入農産物の価格上昇は、国内の食料品価格の高騰を招き、消費者の負担を増加させる可能性があります。さらに、中小企業は、原材料の価格上昇や輸出の減少により、経営が悪化するリスクがあります。
リーマン級の金融危機との比較
木内登英氏は、トランプ政権の関税政策がリーマン級の金融危機を引き起こす可能性も指摘しています。リーマンショックは、金融システムの崩壊により世界経済に深刻な打撃を与えましたが、今回の関税政策も、貿易摩擦の激化や世界経済の停滞を通じて、同様の事態を引き起こす可能性があります。
特に懸念されるのは、保護主義の拡大です。トランプ政権の関税政策は、他の国々にも報復関税を課す動きを誘発し、貿易戦争を引き起こす可能性があります。貿易戦争は、世界経済の成長を阻害し、金融市場の混乱を招く可能性があります。
日本が取るべき対策
このような状況下で、日本が取るべき対策はいくつかあります。まず、日米間の交渉において、日本の立場を強く主張し、関税の引き上げに反対する必要があります。また、多国間の連携を強化し、保護主義の拡大に対抗する必要があります。
さらに、国内経済の活性化を図るために、規制緩和や構造改革を推進する必要があります。これにより、日本の経済力を高め、外部からのショックに対する耐性を向上させることができます。
トランプ政権の関税政策は、日本経済にとって大きな試練です。しかし、適切な対策を講じることで、この危機を乗り越え、より強固な経済基盤を築くことができるはずです。