石破伸一氏、原爆忌念式典で正田篠枝の短歌を連発…深い思いを込めた選句に注目
2025-08-06
読売新聞
8月6日、広島市で開催された原爆忌念式典において、石破伸一氏が被爆者でもある歌人、正田篠枝氏の短歌を引用し、深い感銘を与えました。式典での挨拶の締めくくりに、正田氏の短歌「太き骨は先生ならむ そのそばに ちいさきあたまの骨 あつまれり」を2度繰り返したことに対し、その選句に込められた思いが注目を集めています。
この短歌は、広島の原爆ドーム近くに立つ「原爆犠牲国民学校教師と子どもの碑」に刻まれています。教師を頼って亡くなった児童たちと、救えなかった教師の未練を詠い上げた、痛烈な悲しみを伝える作品です。原爆の悲劇を伝えるとともに、教育者と児童の関係、そして平和への願いが込められた短歌として、多くの人々に深く心に響きます。
石破氏がこの短歌を選んだ背景には、どのような思いがあったのでしょうか。被爆地である広島での式典という特別な場所で、正田氏の短歌を繰り返し口にしたことには、単なる引用以上の深い意味が込められていると推測されます。
式典後の取材に対し、石破氏は自身の思いを「あの歌に全て尽くされている」と語りました。この言葉からは、短歌に込められたメッセージに深く共感し、自身の経験や考えとも重ね合わせていることが伺えます。政治家としての立場でありながら、原爆の悲劇と平和への願いを、短歌という芸術を通して表現した石破氏の姿は、多くの人々に感動と深い反省を促すものとなりました。
今回の石破氏の選句と挨拶は、原爆忌念式典という場において、平和への祈りと、被爆者の記憶を未来へと繋いでいくことの重要性を改めて私たちに訴えかけていると言えるでしょう。
正田篠枝氏の短歌は、原爆の悲劇を乗り越え、平和への願いを込めた作品として、今後も多くの人々に読まれ、語り継がれていくことでしょう。