アジア太平洋地域(APAC)企業のサステナビリティ戦略加速!MSCI調査でSBT設定と移行計画開示の増加が明らかに
2025-06-18

AFPBB News
アジア太平洋地域(APAC)企業のサステナビリティ戦略に変化の兆し
MSCIの最新調査が、アジア太平洋地域(APAC)における企業の気候変動対策の加速を明らかにしました。特に、科学的根拠に基づく目標(SBT: Science-Based Targets)の設定や、具体的な移行計画の開示に取り組む企業が増加傾向にあり、サステナビリティへの意識と行動が着実に高まっていることが示唆されています。
SBT設定の増加と移行計画開示の重要性
SBTとは、地球温暖化の抑制目標に沿った、科学的に妥当な温室効果ガス削減目標のことです。SBTを設定することで、企業は具体的な目標を設定し、その達成に向けて戦略を策定・実行することができます。また、移行計画の開示は、投資家やステークホルダーに対して、企業の気候変動対策の進捗状況や将来の計画を透明性高く伝える上で不可欠です。
MSCI調査のポイント
- SBT設定企業の増加: APAC地域では、SBTを設定する企業の数が年々増加しており、気候変動対策への積極的な姿勢が伺えます。
- 移行計画開示の重要性認識: 企業の多くが、移行計画の開示が投資家からの信頼獲得や資金調達に繋がることを認識しています。
- セクター間の差: 一部のセクターでは、SBT設定や移行計画開示の遅れが依然として見られますが、全体としては着実に改善が進んでいます。
- 投資家の関心の高まり: ESG投資の拡大に伴い、投資家は企業のサステナビリティ戦略を重視する傾向が強まっており、それが企業側の行動を後押ししています。
今後の展望と課題
APAC地域の企業は、今後もSBT設定や移行計画開示を積極的に推進していくことが求められます。同時に、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減や、気候変動の影響に対するレジリエンス強化も重要な課題となります。また、SBT設定や移行計画の策定・実行には、専門知識や資源が必要となるため、企業は外部の専門家や機関との連携を検討することも有効です。
MSCIの調査結果は、APAC地域のサステナビリティ戦略の現状と課題を浮き彫りにするとともに、今後の企業行動の方向性を示す重要な指標となります。気候変動対策は、企業の持続的な成長と社会全体の発展に不可欠な要素であり、APAC地域における企業の積極的な取り組みが期待されます。
参考文献: MSCI (2024). [調査レポート名]